芸術とはなにか (角川文庫)
本, トルストイ
芸術とはなにか (角川文庫) は トルストイ によって作成されました 各コピー0で販売されました. Le livre publié par 角川書店 (1952/05). Il contient 260ページ pages et classé dans le genre genre. Ce livre a une bonne réponse du lecteur, il a la cote 3.5 des lecteurs 1. Inscrivez-vous maintenant pour accéder à des milliers de livres disponibles pour téléchargement gratuit. L'inscription était gratuite.
平均的な顧客フィードバック : 3.5 5つ星のうち(1人の読者)
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芸術とはなにか (角川文庫)ダウンロード -以下は、芸術とはなにか (角川文庫)に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
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タイトルを見る限りでは“芸術とはなにか”を説明した手引書の様な印象を受けるかもしれないが、実際の内容はそうではなく、寧ろ“芸術とは如何にあるべきか”を彼の思想に則って述べたと言うものになっている。簡潔に要約する事が許されるなら、一、芸術は社会に生活する一般庶民の幸福に貢献する役割を果たすべきである(引いてはそれが人類全体の幸福に繋がってゆくのである)。一、近代以降の芸術(本書で槍玉にあがっているのは主に象徴派詩人やワグネルに代表される楽劇作家などであるが)はその役割を果たしえておらず、一部の特権階級のスノビズムを満足させる為だけの贅沢物と化している点、憂うべきことである。と言う事になろうか。この二点においてさえ主な主張となっているのは前者の一点に集約され、模範的な芸術とはどう言うものか、これからの芸術はどうなって行くべきか等の、過去から未来にわたる展望全体もまたこの観点から演繹されている。これを書いたトルストイは明らかに自身の理想に身を焼かれており、後に全財産を寄付してまでキリスト教的理想世界の実現を図ろうとしたのは周知の事実である。彼の理想に同意できるか否かは別問題として、この芸術観を21世紀の現在に照らし合わせてみるとき、これは興味深い問題にはなるであろう。現代芸術はもはや庶民の手を完全に離れてしまった。小林秀雄氏の「近代絵画」を読めば、氏はボードレールの見解を借りた上で“このartという言葉は、個性、独創、天才、発明、自由という様な観念で充満し、今にもはち切れんばかりになっていた”という言葉が見つかるが、それが19世紀のことなら、21世紀現在においてはこの傾向は歯止めが掛かるどころか、一層拍車がかかり、現代芸術は作品の不可解性を目的とする、と言うところまで来ているのである。この時、芸術には何が出来、何が出来ないのか、この根本の問題は再び浮かび上がっては来ないだろうか。本書を読むことで少なくともそれを考える機縁にはなるであろう。本文もトルストイらしい力強く、情熱的な名文である。強く薦めたい。最後にこれは私見であるが、19世紀のフランスから遠く離れた現在の日本においても、象徴派詩人の中でも難解と呼ばれるランボーが多数の読者を持っていることや、印象派画家達の展覧会の盛況振りを見れば、当時の芸術もトルストイが悲観したより遥かに価値があったと言ってよいと思われる。
によって トルストイ
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