データ分析 はじめの一歩―数値情報から何を読みとるか? (ブルーバックス)

データ分析の初歩を筋道を立てて説明しています．データに語らせるためにはいろいろな方法があるという事です．1章はデータの可視化ということで主にヒストグラムを取り上げます.この際にどのように階級を決まるかが大事ですが実際にグラフを書いてみて決めるのが良いという対処法を紹介しています．2章は，データの代表値という事で平均にも算術平均，幾何平均，調和平均があり，用途によって変える必要がある．また，モード(最頻値)やメジアン(中央値)などもあり ，加重平均の話題も出ています．3章はデータ分布の広がりと言うことで，分散と標準偏差が出てきます．そのほかにジニ係数も紹介されています．この中で，偏差値についてテスト得点は正規分布にはならないのだから，累積分布の割合から偏差値に変換した方が自分の順位を確認するという本来の意味に合致していると書かれています．4章は因果関係をさぐるとなっていますが，主に相関直線について語っており，因果関係についてはあまり語っていない．因果関係を示すのは，このレベルでは難しいからかと思うが，タイトルを変更した方がと思った ．この中で，相関直線では表せない点群の例も出しており，まずは散布図を作ってみるという基本姿勢を伝えている．5章は複雑な因果関係というタイトルで，直線以外の場合の回帰曲線の求め方重回帰分析のやり方などが紹介されている．6章は変化を追跡すると称して，時系列分析の基礎について紹介している．トレンド[傾向)の抽出やトレンド除去，異常値の扱いなどについて説明している．7章はグループを切断するという事で同区別を付けるかという観点で判別分析や主成分分析などを説明している．判別分析は，グループ間の分散の違い(級間分散)を最大にすると言う話で説明がされた．これで相関比を最大にする．まに主成分分析は情報量と情報損失量という観点にたち，情報量を最大に，情報寝室量を最小にすることで次元圧縮が可能で，圧縮される方向に切断するとグループを切断可能となる．8章はデータを比較するという事で，比較と行っても何らかの規格化が必要な場合などもあり，また，データを様々に加工することでわかりやすい変数を作れることを各種経済指標を用いて説明している．内容もわかりやすいし，20年近く前の本なので，話題やデータがフルイという事はあるが今でも使える本だと思います．今は出版されていないのは残念です．